Blogブログ
2020.03.26#家づくりコラム
建築コラム:日本のエコハウスの先駆け・聴竹居
こんにちは! マイスター品質の《藤代工務店》広報チームです!
京都の南西、天王山の麓、大山崎はウィスキーの蒸留所で有名です。また、今年の大河ドラマ『麒麟がくる』の主人公、明智光秀を豊臣秀吉が破った〈山崎の戦い〉の舞台でもあり、この故事から雌雄を決する勝負を『天王山』と呼ぶようになったそうです。
その大山崎町に、国の重要文化財《聴竹居(ちょうちくきょ)》(聴竹居|藤井厚二)があります。1928年建築。日本の住宅の理想形として、日本の近代建築20選(Wikipedia)に選定されています。〈日本の気候・風土、日本人の身体に適した住宅〉を生涯追求した建築家、藤井厚二(1888〜1938年)の設計であり自邸です。
藤井は《聴竹居》で、日本の〈数寄屋造り〉と欧米の〈モダニズム建築〉という和洋の融和したデザインに挑戦。また自然エネルギーを最大限に活用した、エコハウスのパイオニアとしての側面も持っています。『その国を代表するものは、住宅建築である』という言葉を残しており、本来日本人が大切にするべき美意識やライフスタイルについて考えさせられます。
日本の夏を快適に過ごすための工夫が随所に施されているため、高温多湿で有名な京都の夏でも、室内は汗がひくほど涼しいそうです。涼しさの秘密は、淀川から上がってくる西風を室内に取り込んでいること。そして、夏冬で日差しをコントロールするための軒先の角度など、藤井厚二は空気や熱を科学的に計算して建築に応用する『環境工学』を日本で最初に実践しました。
地球温暖化がいよいよ問題になり、環境への関心が高まっている現在、エネルギーミックスを検討するよりも、建築設計による省エネ・自然との共生の方が、より現実的な解決策という気がしますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。