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2020.03.12#家づくりコラム
建築コラム:権力や文化、時代によって影響を受ける建築様式
こんにちは! マイスター品質の《藤代工務店》広報チームです!
鎌倉時代から室町時代にかけて、近代日本の住宅建築の基本が成立したと考えられています。平安時代、武家が台頭するまでの間は、支配層(貴族)の住宅は〈寝殿造〉が主流だったのですが、徐々に武士が力を持つようになると、武士の生活様式に合わせた〈書院造〉が生まれ、住宅建築のいわばトレンドが変わります。社会の勢力図が建築様式にまで影響するわけですね。
鎌倉時代になると、家の中を用途に応じて細かく仕切るために、ふすまや障子ができ、畳を敷き詰めるようになり、〈座敷〉つまり現在の和室(畳敷きの部屋)という概念が誕生し、和風建築の基本形が出来てきます。
そんな中、支配層の間で流行っていたのが和歌や連歌、能などの芸能です。当時の先端国家である唐からの輸入品蒐集も流行していたため、蒐集品を見せびらかしつつ芸能を楽しむための宴席が増える中で、茶の湯の文化が生まれます。
そのスタート地点は、やや成金趣味にも感じるような茶の湯の文化が、時の流れの中で洗練されて〈わび茶〉が生まれ、独自の世界観、精神性を取り入れて、芸術の域にまで高められたわけです。
その過程で、茶道の美意識に合わせて誕生した茶室。俗世間からはなれ、狭い四畳半で身分の差をなくし、型に従ってお茶を楽しむことで自分と向き合う時間は、やたらと忙しい現代人にとって、今最も必要なのではないかと思います。
権力や文化、時代性によって大きく影響を受ける建築。建築が魅力的な理由の一つは、学ぶと歴史が見えてくることなのかもしれませんね。